種田梨沙さん栄光の軌跡　その3 -きんいろモザイク-

種田梨沙さんが最高であるのです。

先日惜しまれつつも謎のミュージカル回で華麗な幕引きをし、あまりも華麗すぎて視聴者の９割が「あれ、これブヒっていいのか……？ブヒブヒブー？」みたいな気分にさせられた我らが天上への切符「きんいろモザイク」です。

種田梨沙さんは本作で、頭がよくて真面目だけどちょっと抜けてる上にちょっとと言えないくらい百合っ気のある女の子「小路綾」(通称：アヤヤ)を演じます。

またこのアヤヤさんがめっちゃ可愛いんです。可愛すぎます。真面目で恥ずかしがり屋、ツンデレ、おしとやかって倍満級です。劇中ではおしとやかってあんまり感じないんですが、それは普段一緒にいるメンバーとは打ち解けているからで、目上の方(先生とか)に対してはおしとやかっぽさが出ています。その辺りの微妙な演技の差も素晴らしい。種田梨沙さんの演技の幅に感服です。

また、前述の謎ミュージカル回では種田さんの歌唱力が存分に披露されます。種田さんにもソロパートがあって、ちょっぴり恋の歌っぽいんですが夢見がちな乙女脳の小路綾の心情をうまく表現できていると思います。

そして、そもそも謎ミュージカルが行われた理由はこちら。

――最終回がミュージカルという構成も大胆だと思いました。これはどなたのアイデアだったのでしょうか。

綾奈：ミュージカルは監督のアイデアです。12話にカレンの中二病話をもってくることは、構成を立てる段階で、わたしから提案しました。「2人は離ればなれなの？」「いいえ、ずっと友達です！」というアリスと忍の会話が作品のテーマと絡んでいてぴったりだし、最終回を最終回らしく、きれいに終わらせすぎたくなくて。そしたら監督が、「なるほど。じゃあ、そこをミュージカルにしましょう」と。劇中劇を、どう凝ったものにするかというアプローチの一つですね。ただ、本編の流れでいきなり歌が始まるとびっくりするので、本編は進級話でちゃんと締めて、Bパートはおまけエピソードという扱いにしました。これまでの回でも、アイキャッチではさんで短いエピソードをやったりしていましたが、そのロングバージョンです。正直、ミュージカルは絶対難しいし、制作的にもたいへんだろうという予想はありましたが、みんなで腹をくくりました（笑）。音楽サイドのフライングドッグさんもすごく乗り気になってくださって、心強かったです。まず声優さんたちに仮アフレコをしていただいて全体の尺を決め、映像に先行して音楽を書き下ろしていただきました。

――ミュージカルをやるにあたって参考にされた作品などはあったのでしょうか。
綾奈：お話からしてディズニーです。歌とセリフの混在具合は、『美女と野獣』を参考にしました。それと、12話を書き始めた頃に、ちょうど映画の『レ・ミゼラブル』が公開されたので、お正月に一人で観に行きました（笑）。タイミングに恵まれましたね。
　実は、忍のお話は2案用意していました。一つは、原作にもっと準じた話で、国同士の戦争もの。忍が隣国のカレン王子の金髪に惚れて隣国に渡り、アリスと手紙のやり取りをしている内にアリスとカレンの国同士で戦争が始まるという話で、綾はカレンの国の侍女、陽子は近衛士官でした。そのプロットを書いた時に、綾と陽子も活躍させたい、カレンももっと活き活きさせたいと思って、ガラッと雰囲気を変えて出したのが、今の話です。原先生に判断を仰ぎ、後者に決まりました。
　ミュージカルで心残りなのは、尺の関係で陽子に歌わせてあげられなかったことです……綾とデュエットしたり、戦闘中に歌うのも違うなと思って、叶いませんでした。実は12話のキャラクターコメンタリーに脚本の伊神貴世さんが陽子の歌シーンを書いてくださって、実際に内山夕実さんにも歌っていただいたのですが、またしても尺の都合で泣く泣くカット……。その収録が、わたしの中で陽子愛があふれていた時だったので（笑）、かなりへこみました。